不安障害とは
不安障害の概説
不安障害とは、生活の身の回りに起きる出来事に対する過度な不安と心配が続く状態のことをいいます。心配事を考えないようにしようと思ってもなかなか頭から離れず、一日中、繰り返し同じことを考えてしまい、心が疲弊してしまった状態です。
不安障害の症状
誰にでも心配事の一つや二つは抱えているものです。ところが不安障害の場合は、その心配事が非常に多岐にわたっていたり、一つの心配事に多大な時間を費やしてしまったり、心配事を考えないようにしようとしてうまくいかずに落ち込んだりと非常に辛い思いをします。
将来のとりこし苦労をしてしまい、マイナス思考から不安が増長し、倦怠感や疲労感が蓄積していきます。
不安は焦りに変わり、落ち着かなくなって集中力が欠如してきます。些細なことでイライラしたり、感情を爆発させてしまいます。
心の不安、緊張は体の不調としても現れてきます。頭痛、肩こり、めまい、ふらつき、動悸、息切れ、胸痛、腹痛、下痢、便秘、アトピー性皮膚炎の悪化などの自律神経失調症が表出する場合があります。精神的な疾患とは気づかず、内科、耳鼻科、皮膚科等の身体科を受診されさまざまな検査を受けるケースもあります。
不安障害の原因
不安障害の原因は、まだはっきりとはわかっていません。元来の性格特性や遺伝的要因、置かれているストレス状態などが発症の一因になっているという考えもあります。
生物学的な要因としてγーアミノ酸(GABA)、セロトニンなどの脳内の神経伝達物質の関与や遺伝的要因があります。このため以下で述べますが、セロトニン量を増やすようなお薬が不安障害に有効な場合があります。
不安障害の治療
不安障害に対する治療方法は薬物療法と精神療法に分けられます。不安障害の治療の目標は、根本的に不安を取り除くということではなく、日常生活に支障をきたさない程度に症状を緩和して生活を送れるようにすることを目標とします。
薬物療法においては脳内のセロトニン量をふやすようなお薬が有効な場合があります。お薬の分類としては抗うつ薬に分類されるお薬です。補助的に抗不安薬、睡眠薬などが用いられる場合がありますが、症状によっていはこれらの薬剤を中心に治療していく場合もございます。いずれにしても専門医の診察のもと、本人さまとよく相談したうえで治療方針が決定されます。薬を服用することや治療全般に不安や疑問がある場合は遠慮せずに医師に相談するようにしてください。
精神療法では、医師の診察を通して治療が行われます。不安や恐怖に対するこだわりや考え方を修正したり、心と身体をリラックスさせる方法を共に模索したりすることで少しでも不安から距離をとることを目標とします。個人個人に対して適切な方法を設定することが重要になります。
どんな些細なお悩みでも結構です。おひとりで悩まずにご相談ください。